2005年発売で結構古いんですが、これは衝撃的な1冊でした。弁証法という言葉を使うと「えっ難しいの?」と思われますが本書は非常に読みやすいです。ボクはヘーゲルについては殆ど知りませんが、この本は超おすすめです。ボクの中でIT系の名著は2冊あって、

1.インターネット的(糸井重里)
2.鈴木さんにも分かるネットの未来(川上量生)




本書を含めてこの3冊を読めばネットの未来や本質は殆ど理解できるといっても過言ではありません。まず本書で一番大切な事は「螺旋階段の法則」だと言います。これが何?というと、進化はとびとびで生まれるわけではなく、螺旋階段。つまり、同じ場所を歩いているようで上の段に上がっている。

本書ではそれを「ネットオークション」の例に例えています。一見すると革新的な技術ではあるものの、そもそもは市場で競りを行っていた物。それがネットの登場によって再び巻き起こったわけです。

●復活と復古。

ネットの進化は復活と復古という2つの要素と密接に関係しているわけです。

「未来進化」と「原点回帰」は同時に起こる。本書では電子書籍の例を挙げていますが、電子書籍が普及しても紙の本がすぐに無くなるわけではない。逆に、電子書籍が進化した事によって紙の本が復帰してくるというわけです。

●消えて復活する?

もう一つ面白いのが「消えたものは復活してくる」という話です。電子メールによって紙の手紙は劇的に減った。ただその一方でニュアンスというものが減ってしまった。本書ではボイスメールの未来を例に挙げているわけですが、最近の例で言えば「インスタグラム」であったり「Cチャンネル」であったり、そういう微妙なニュアンスは動画も含めて、確かに復古しつつあるのかもしれません。

その上で「復古」するものに関しては「新たな価値が付加される」とも言っています。

●量から質への変化。

量から質へ変化する。例えば、水が沸騰するように、、。つい最近までネットは定額ではなかった。これが2000年代からADSLの破壊的な価格低下によって量から質へ変化する時代になった。光回線の普及。これは動画の到来を予期するものかもしれないですが、YouTubeの動画がそうであるように、量から質へ。それは通信コストの低下によってドンドンと生まれてくるわけです。

●競合は似てくる?

弁証法では「競合する物は似てくる」という価値観があるようです。これはまさに、AppleのiPhoneとGoogleのAndroidに似ています。

よの中の矛盾にこそ意味がある。一見すると難しいですが、ネットの本質を弁証法を使って見事に綴った名著です。これは絶対買いの1冊です。おすすめです。
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