予告編の段階で「これは名作に違いない」というほど期待値は高かったです。実際、平日の昼の回で20〜30人くらいお客さんが入ってましたし、過去最高の興行成績を狙えるのではないか?という話もあります。まず率直に感想を言うと、期待値が高すぎました。そして「もはやコナンではない」というのが本音です。脚本に『絶海の探偵』以来、2年ぶりに櫻井武晴さんを起用。相棒の人ですな。

まず個人的な評価を言えば、『絶海の探偵』が良かったのか?という事ですよね。割と酷評してますが、はっきり言って櫻井武晴さんの名探偵コナンは今作で最後にした欲しいです。実写は才能があっても、アニメの脚本は無理があります。この人からコナンに対する愛が感じられません。

●あらすじ。

ニューヨーク・マンハッタンのオークションで、ゴッホが2番目に描き、第二次世界大戦時の芦屋空襲で焼失したとされる『ひまわり』の模写が出品された。そこに参加していた園子と鈴木財閥相談役の鈴木次郎吉。なんと次郎吉は過去最高の落札額3億ドルでひまわりを落札してしまう。そして、世界に散らばる7枚のひまわりを日本に集めて展覧会を開催しすると宣言する。しかし、そこに現れた怪盗キッド。そして、ひまわり輸送中の飛行機が何者かに爆破され、あわやの大惨事は免れたが、キッドの手によってひまわりは盗まれてしまう。いつものキッドとは何かが違っていた。ひまわりを巡る、ある人物の物語。そしてキッドがひまわりを狙う理由とは?史上空前のスケールで描く超大作。

●感想。

まず冒頭はもの凄く良かったです。いきなりニューヨークのマンハッタンから始まって「おっしゃ今年のコナンは当たりだ」と思いました。ひまわり運搬中の爆破されあわや墜落という銀翼の奇術師の最後みたいなシーンが冒頭10分て起こるわけです。ただ、その後がいけなかった。結局、キッドが何をしたいのか?という事は最後になるまで分からない上に、脚本に無理があるわけです。かなり大人向けのシリアスな展開になっている事は理解できます。ただ、基本的に見せ場を作るためのかストーリーに真が無いわけです。本作ではある「おばあさん」がキーになるわけですが、あまり掘り下げない。

あれだけ大風呂敷を広げた割に、ひまわり7点が展示される展覧会が100人限定という意味不明な展開。しかも大半が鈴木財閥の関係者というご都合主義。そして、一番いけなかったのが本作の犯人ですよね。もーね、犯人という言葉が正確でないほどテキトーです。少しネタバレになりますが、実は7人の関係者(次郎吉が選んだ各種プロフェッショナル)の中に裏切り者がいた。という展開になるわけです。そいつは「○○を○○するために、○○がゆるせない。だから○○するんだ。」という感じなんですが、そこに対する伏線が一切ない。それを電話越しで新一(コナンが声を変えて)で推理するわけですが、その推理が本当に茶番ですよね。例えば、時計仕掛けの摩天楼なんかは、火薬庫からプラスチック爆弾の原料が盗まれて、コナンに挑戦状が叩き付けられる。その過程で実は爆破された建物の全てをあの人物が設計していた。という伏線を張るわけです。14番目の標的の時も動機はありました。

でも本作ではそういった伏線が無いわけです。

結局、動機も曖昧ですし、コナン史上で初めて死人が出ない作品ですよ。たぶん殆どの人があの犯人の動機にも存在にも納得できないでしょう。結局、脚本は適当ですし、監督はたぶん最後のシーンが撮れれば良かったんでしょうね。コナンとキッドによる最後での生死をかけた行動があるわけですが、そこまでの道筋が無いために、本当に中身の無いダイハードですよ。小五郎のおっちゃんの推理ショーもないし、これ本当にコナンなのか?と首を傾げました。

最後に怪盗キッドがひまわりを盗んだ本当の理由が告げられるわけですが、これがまた取って付けたような薄い伏線。「ねぇこれって素敵な結末でしょ?」という制作側のドヤ顔。本当に原作に対する愛を感じません。コナンの形をした中身の無いダイハードです。

というワケで、この作品の出来は見てからのお楽しみという事で、、。
もしかすると人によっては名作かもね。(笑)
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