170ページと少しページ数は少ないです。噂によれば、ピケティの21世紀の資本は売れた部数のうち7割がオブジェという話も聞きますが、本書は非常に読みやすいです。本当にびっくりしました。翻訳にも関わらず、この慣用さ凄いです。書店で見た時に「ピケティが帯のコメント書いてるんだ」が、手に取るきっかけでした。本書を簡単に要約すると、ピケティで言う富裕層の資産の行方、そしてタックスヘイブンからいかに税金を徴収するのか?という事がまめとられた本です。

タックスヘイブンは簡単に説明すれば、税金が国策で安くなっていたり税法上有利な仕組みのある場所です。スイスがその筆頭である事は間違いありません。よく映画なんかで悪者の資産がスイス銀行に預けてある、みたいな展開もありますよね(※実際、スイス銀行という名称の銀行があるわけではありませんが、、)。

●富裕層の資産がタックスヘイブンに流れている。

これはよく言われている事ですが、富裕層は日本でとかアメリカでバカ正直に税金を申告しているわけではありません。スイス銀行に口座を持ったり、幽霊会社(ペーパーカンパニー)を作ったりして、少しでも納税額を低く抑えようとしているわけです。その金額はヨーロッパだけで数兆ユーローにも及ぶそうです。

●タックスヘイブンがタックスヘイブンである理由。

これは国策の意向が大きいようです。スイスが金融立国して君臨する理由は国全体でマネーを保護している事にあります。ルパンの資産がスイス銀行に保管されてるとかありましたね。そして面白かったのが、スイスに並んでタックスヘイブンとされている、ルクセンブルグやシンガポール。一見すると、独立した組織が運用しているように見えますが、その中の多くが実はスイス銀行の子会社だったりするわけです。

●タックスヘイブンからお金を取る方法。

これはピケティにも共通する事ですが、

1.世界的な帳簿の実現。
2.富裕層の資産に課税する資産税の導入

を挙げています。

●タックスヘイブンを打ち破る方法。

ここから面白い所で、まずスイスの場合はユーロ全体でスイスに対して輸出物に対して30%の課税をかける。輸出に依存するスイスに対して、30%の課税を行えば金融立国で得られる利益を越える事ができる。他の国に関しては、さらに高額の関税をかける事によって、浮遊するマネーを先進国に戻す事ができるという主張です。ただ、一つ読んでいて疑問だった事が、ボクはピケティの本を読んでないので分かりませんが、富裕層のマネーに課税を行った上で、本当に貧富の差が解消されるのか?負債が解消されるのか?という疑問があるわけです。

でも、読み物としては面白しろかったです。1700円は高いですが、ピケティの本が分からない人によってはおすすめだと思います。
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