日本コカコーラの会長である著者が、顧問として1000日(3年間)ドコモのマーケティング戦略や意識改革を行った経営改革をまとめた本です。ボク自身、ドコモの携帯を持った事が無いので何とも言えません(最初がauで、今はSoftBankのiPhone)が、魚谷さんが就任する以前のドコモは官僚体質に染まっていた。勿論、今も昔もドコモが携帯キャリアの長でシェア50%を越えていた事は事実です。しかし、顧客に対する接客やイメージ戦略では他社に劣っていた部分があるそうです。魚谷さんが顧問として就任後、2010年の顧客満足度は業界で1位に踊り出たのです。



●一度解約して新規で入れてくれますか?



当時のドコモ官僚体質を物語るエピソードとして、本書には魚谷さんが経験したこんな事が書かれています。
びっくりしたのは、店内に貼られていた携帯電話の価格表でした。比較的新しい携帯電話がなんと1円と書いてあります。ところが、これは新規契約に限る、とあるのです。そして、すでにドコモを使っている人が機種変更をする場合は、2万5000円とあります。えっ?これはどういうことだろう!?僕は混乱してしまいました。そこで、ショップのスタッフに尋ねてみると、こう言われました。「もし、ドコモの電話を持っているのであれば、一度解約した方がいいです。その後、あらためて新規で入られた方が安いので、こちらがおすすめです、番号は変わりますが、、」
携帯キャリアってこういう所がありますよね、これは僕の経験ですが、昔auショップに持ち込み新規で契約に行った際に「持ち込みは割高のプランになります」と言われた経験があります。それはドコモでも同じですが、これは長年同じキャリアで契約している人が「長く使ってもメリットは無い」と愚痴をこぼしているように、携帯のお上体質、官僚体質です。



●お客様の価値を高める事が大切。



基本的に本書で言っている事は当たり前なんですよね。基本中の基本。お客様を大切にする→リピーターが増える→顧客満足度が上がる。という事なんです。そのための戦略が本書の主題。今の携帯キャリアで何が差別化できるのか?と言えば、顧客満足度でしかないわけです。本書ではSoftBankのように、CMで圧倒的な認知度を高める事に対するマケーティング戦略ではなく、地道な顧客満足度の完全が綴られている。例えば、電波が悪ければ48時間以内に出向くとか、1年以上同じ携帯を使用していれば、バッテリーを無償で提供するといった事。ロゴの変更もその戦略の一つ。
組織というのは、うまくいっているその頂点にあるときから、つねに次の改革への準備を始めることが必要です。その改革の方向を決めるのは、いつも「それはお客様起点になっているか?」ということです。

●iPhone発売のその後。



ついにドコモもiPhoneを発売したわけですが、それでもシェアはライバルのauやSoftBankに負けている。ある意味で携帯キャリアそのものの重要性が低くなっているのかもしれない。別にiPhoneであれば3社横並びなので安いキャリアに移る。ボクはドコモが目指すべき方向は純増数ではなく、既存ユーザーの維持だと思ってます。つまり、使えば使うほど「もう離れられない」環境を作るという事。それが本書で言う顧客満足度なんど思います。内向きのドコモ、外向きのドコモとありますが、外向きのドコモが全面に出れば既存のユーザーは離れてくわけです。



やはり会社は人だなというのが本書の感想です。社員が良くても経営者がダメならダメだし、またその逆もしかり。マケーティングの基礎として、また顧客との接客方法として。たった3年でこれだけの改革、しかも日本最大とも言える企業の中で行った事は驚嘆に値します。ただ、2014年現在のドコモがどうなっているのかは不明です。



NTTドコモって、「どこでも繋がる」のドコモではないのね、、。
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