日本の電力事情は大きな転換点を迎えています。3.11による福島原発の事故、それに伴う全原発の停止。夢のエネルギーと言われた原子力発電が問われている。そして今の日本では、原発停止に伴う天然ガス(LNG)の輸入増加によって貿易赤字に苦しんでいる。経済界は即時原発再稼働を唱えている。国民の感覚からすれば違和感もある。ただ、ソーラーや風力が劇的な解決策を持っているわけではない。本書「エネルギーを選びなおす」は、新しいエネルギーの形を真っ向から考える本です。



●太陽光活用は古代ローマに遡る。



最近では、ソーラー発電は当たり前になるけれども、その歴史はかなり古いです。時を遡れば古代ローマ時代になるそうです。勿論、今のように光のエネルギーを電気に変えるものではなく、熱を利用した「太陽熱システム」です。その当時、既に温室的なものが発明されていたそうです。そして、始めて利用した本格的なエネルギーがバイオマスです。石油も石炭も元を辿れば生物の死骸なわけですが、当時は切って燃やすという方法が一般的だったそうです。



ただ、これにも弊害があって、当時の森林が次々に伐採されハゲ山になったという問題がを抱えています。そして、人類が次に手にしたエネルギーが石炭でした。日本でも江戸時代には既に石炭を利用する方法が確立していたそうです。



そして、時を巡って時代は「鯨油」からガス、そしてガソリンへと変化していきます。

ガソリンに革命を起こしたのはやはりヘンリーフォードが開発したT型フォードでしょう。この開発により、時代は馬から車へと大きく変化していきます。



●石油はあとどれくらい持つのか?



ボクらの子供時代には、学校の社会の授業で「石油はあと30年しかもたない」と教えれました。しかし数十年経った今でも「石油はあと30年」と言われています。これは技術的な進歩によって、より難しい場所での採掘が可能になった事が大きいです。例えば、シェールオイルですね。では実際に、石油はあとどれくらいで枯渇するのか?石油は既に9440億バレル採掘されていて、残りは7640億バレルが未採掘です。今後、1420億バレルが発見されますが、2006年の段階でピークを迎えていると言えます。実際問題、原油が高騰していた背景には新興国の需要はもちろんの事、生産面でも限界が来ているという話もあります。



●サンシャイン計画による日本の失敗。



これはオイルショック世代にはピンと来る話かもしれません。第一次オイルショック、そして第二次オイルショック。高騰する原油問題を打破するため日本は自然エネルギーを開発する「サンシャイン計画」というものを打ち出しました。しかし、74年〜2000年まで1兆3000億の資金を投入しても明確な成果は出なかった。



●エネルギーをもっと効率的に。



これが本書が言いたかった事です。今の時代、大規模な発電所から電気を大量に供給する時代は古いです。これは知っている人は知ってますが、電気を送る際には必ずロスが出ます。100という電気を送っても実際には30〜40ほどの電気しか使えません。そのためには、発電所をもっと近くに作る。それは、バイオマス発電で近隣の電気を賄ったり、コジェネの効率化でもっと効率的に電気を作ったりする事です。新しい電気の形は、近隣のコミニュケーションすらも変えるかもしれない。冷たいエネルギーから暖かいエネルギーへ。
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