最近では、世界的な株価の低迷でアベノミクス効果が薄れた?何て言われているわけですが、アベノミクスが掲げる「第一の矢」(日銀による資金供給)「第二の矢」(財政出動)「第三の矢」(成長戦略)のうち、少なくとも「第一の矢」は間違いなく正しいというのが、リフレ派の意見でもあります。リフレ派が何なのか?簡単に言えば、日銀が市場にお金を回せば経済は潤う、緩やかで安定的なインフレを目指すといった主張の人たちです。



古くの日銀、そして政府は「リフレ」とは正反対の立ち位置にいました。つまり、お金をできるだけ絞る事が正しいと思われていたわけです。それが長期的なデフレを招いた、という意見もあります。本書の著者である浜田氏は、リフレ派であってアベノミクスの第一の矢は正しいと主張します。



世界的にアベノミクスは常識。



デフレは簡単に説明すれば、円の供給量が減る事で消費が低迷し、さらに経済活動、つまり企業の利益が減って給料も下がるというものです。アベノミクスで株価が上がっている理由は、日銀が大量のお金を市場に供給する事によって、それが市場に回っているという事で説明できます。今まで日銀が行ってきた事はその逆で、それが世界的に見るとデフレ化においては非常識だったわけです。



つまり、アベノミクスは当然の事をしているという事になります。



●人口が減ってもデフレにはならない。



著名こそ避けますが、確実にベストセラー「デフレの正体」を皮肉った内容です。デフレの正体によれば、デフレの原因は日本における人口の減少だとされています。それに関しては、三橋貴明氏も批判してますが、デフレと人口減少の因果関係はない。インフレにこそ影響はするものの、デフレとは無関係だとばっさり綴られています。



●サムスンにシャープが負けたのは日銀のせいか?



これは読んでいて少し疑問に思った点です。浜田氏は円高こそ日本企業最大の問題だと言っていますが、例えば、最近ではパソコン事業「VAIO」の売却などで話題のソニー。円が80円台から100円台になっても最高益を更新できない。それは海外売り上げ比率の高い任天堂なども同じで、必ずしも円高によって業績が急拡大するわけではない。トヨタといった例外はあるにせよ、こと家電メーカーに関しては、不振の理由は別にあるのではないか?とも思ったりします。



●経済学で「比較優位説」が意味するところ。

「貿易で利益を挙げるには、絶対的に生産費用が有利な生産物がなくてもよい。ある二つの財を生産する費用の相対比率に差があるときには、相対的に有利な財を生産し、それを輸出することで、貿易が双方の国に利益をもたらす。」
例えば、アインシュタインがいくらタイプが上手くても、それは秘書にやらせて自分が物理学に専念した方が効果が高いというものです。面積やコスト的に劣る農業ではなく、精密機械など強い分野を輸出して農産物を輸入した方がトータルでプラスだという意見です。



本書では強く日本はTPPに参加するべきだと綴られていますが、新聞やテレビで報道されるような過激な発言はなく、例えば、コメや砂糖といった一部の例外はあっても他の強い農産物輸出する事。そして一番大切な事は関税が下がる事による、輸出の拡大です。それは農業のマイナスを差し引いてもプラスになるほど大きいのだと言います。勿論、混合診療や公共事業はあるによせ。思ったより悪くない=TPPという事が分かります。



●ABE?



最後に著者なりのアベノミクスの評価について。まず、第一の矢については、「A」の評価。そして第二の矢について「B」の評価。最後に第三の矢成長戦略に関しては、「E」の評価だそうです。今後問われるのは、第三の矢なのかもしれません。
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