水田わさび以降のドラえもん劇場版におけるリメイク。これは賛否あると思いますが、やはり原作が80年代という事もあってボクは最新の映像技術を使ってリメイクする事にそれほど抵抗はないです。ただ、これは仕方の無い事ですが、どうしても「オリジナル版がいい」方と「リメイク版の方がいい」方に別れてしまう。本作もボクはある一方ではリメイクには賛成ですが、ある一方では否定的です。まず冒頭から言えば、ミクロスが殆ど活躍しない事、これが結構驚きでした。代わりに、原作ではただのボールだったジュドがピットという名前で登場しています。

●あらすじ。

スネ夫にロボットを自慢され悔しがるのび太。自分はビルよりもデカいロボットを作ってやるっ!と嘘を付いてしまう。案の定、ドラえもんに泣きつくのび太であったが、ドラえもんは怒って北極に頭を冷やしにいってしまう。追いかけるのび太であったが、そこで謎のパーツを発見する。帰ったきたドラえもんに「これドラえもんがくれたんでしょ?」と聞くが、ドラえもんは知らないと言う。これがロボットのパーツだと考えたのび太は鏡面世界でロボットを組み立て始める。しかし、そのロボットは兵器だった。突然出会ったリルルという少女の持ち物だという事が判明するのだが、リリルはメカトピア星の地球人捕獲作戦のために送り込まれたスパイだった。地球存亡の危機をかけて、のび太たちは戦うのであったが、、。

●変わった点。

まず、ざっとリメイク版で変わった点を紹介しておきます。

・ミクロスはリメイク版では殆ど活躍しない。
・ジュドを擬態化させたピッポという存在。
・リルルの乳首がない。
・ジャイアンとスネ夫の門限のシーンがカット。
・スネ夫の知らない機械だったら、知っている機械にすればいいじゃないかという発言のカット。
・鏡面世界でドラえもんたちが敵に捕まってしまう。
・原作にあった基地を破壊するシーンがカット。
・鏡面世界に付いたしずかちゃんをのび太が助けるシーンがカット。
・メカトピア星の総司令にリルルが報告する場面で、ザンザクロスが助けに行く。(原作ではそーっとショックガンで助ける。)
・ザンザクロスと敵の戦艦が戦うシーンがある。
・ミクロスの代わりにしずかちゃんが未来を変える事で地球を救う案を出す。
・ロボットの思考が3つの星で出来ている。
・最後にリルルが人間から学んだ「人を思いやる気持ち」をロボットに埋め込む。

●感想。

まず、ピッポという存在がこの作品の評価を大きく変えるわけです。簡単に言えば、原作で頭脳と言われていたパーツをドラえもんのお話ボックスという道具で擬態化させたものです。原作ではこの役割をスネ夫のミクロスが担うわけですが、ボクは結構ミクロスが好きだったんですよね。特に、あの三ツ矢雄二ボイスね。で、話は飛びますが、本作はある意味で合意性があるわけです。一見する地球を支配しにきたロボットの話ですが、実はメカトピア星では奴隷性が採用され支配するものと支配されないものがいるわけです。

それが暴動によって廃止され、足りなくなった労働力を補うために地球人を奴隷にして使おうという。ただ残念な点として、リメイク版で要所要所に奴隷性の名残があるわけです。序盤でのび太たちにピッポが歌を披露するシーンがあるわけですけど、メカトピア星では歌は貴族しか歌ってはいけないとあります。これだとメカトピア星のロボットが地球人を捕獲する合意性が取れないわけです。

ある意味で本作は行き過ぎた機械文明と人間の思いやりをF先生が皮肉ったものでもあるわけですし、単純に言えば「地球を救った=良かったね」的な作品なわけです。で、本作ではピッポという存在を入れた事で本作がのび太との友情を描いた作品になってしまった。原作ではある意味でしずかちゃんが主役だったのに対して、本作ではのび太が主役なのかしずかちゃんが主役なのか分からない。悪い意味で本筋がピッポによって薄まってしまった。何か終わったようで終わらない。最後にそれを受けて成長するのび太たちの表情を描けばもっと良かったと思います。ただ、ピッポとリルルが天使になって現れたシーンでは、ちょっと感動的です。さすがに、うるっと来ますよ。原作は原作で、リメイクはリメイクで面白いですし、両方比較するともっと面白いと思います。
スポンサーリンク