劇場版コナンの中で最も傑作は何か?と問われれば、間違いなく本作がベストです。脚本に江戸川乱歩賞を受賞した野沢尚を起用。コナン劇場版常連の古内一成さんではない点がミソ。監督のこだま兼嗣さん曰く、「長年劇場版を続けていく上でのマンネリ化を防ぐため」との事。脚本のレベルが子供向けアニメの域じゃない。19世紀のロンドンを舞台に、殺人鬼「ジャック・ザ・リッパー」を捕まえる物語。そして、現実世界で起きるある殺人事件と、仮想空間で起こる戦い。これは大人が見ても十分に楽しめるサスペンス&ミステリーです。

●あらすじ。

江戸川コナン一行は、新型ゲーム機「コクーン」の発表会に招かれた。政治家の息子や大企業の子息などが勢揃いしていた。そのゲームとは脳内にイメージを伝達し、仮想空間で行うゲームだった。発表会が盛り上がる中、コクーンの開発者である樫村氏が何者かに殺害してしまう。そこに残されたメッセージ。それを見たコナンは、19世紀末を舞台にしたゲームに参加する事になる。仮想空間と現実の事件がリンクする。その最中、ゲームは「ノアズ・アーク」というコンピュータープログラムによって占拠されてしまう。ゲームで誰か1人でもクリアすれば良い、しかし、全員がゲームオーバーになってしまった場合は、脳内に電波を流して殺してしまうという。「日本のリセット」。政治家の息子や大企業の子息を殺して縛りや繋がりを断とうしてしていた。コナンと新一の父親である優作。2人の事件が同時に進行していく、、。

●感想。

まず冒頭が凄い展開です。政治家の息子や大企業の子供が登場するわけですが、これがめっちゃ性格が悪い。ある子は「お前たち本当に招待されているのか?」と言い、ある子供は「じいちゃんの銀行が金を出したからゲームが開発できたんだろ」という。完全に教育に問題がある。それを見た灰原が「悪い慣習ね、政治家の息子は政治家に。大企業の息子は社長に。あんな子たちが将来を背負っていくと思うと先が思いやられるわ」と言うわけです。子供向けのアニメの設定だぜっ!で、物語が展開していくわけですが、コナンはキック力増強シューズも麻酔銃も使えない。本当に知力と体力だけで勝負しなければならない。

次々に起こるジャック・ザ・リッパーによる殺人事件。ホームズやモリアーティー教授などミステリー好きにはたまらない設定が詰まっている。そして現実で起こる事件とリンクしていく。最後に明かされる犯人とその動機。そして、ゲームでちょっと成長したお坊ちゃんたちにも注目。仲間が次々に脱落していくシーンで、「コナン頼むぜ」「初めて人に褒められたよ」そういうシーンにジーンと来ます。やはり一番の見所は、コナンを助けるために蘭が身を犠牲するシーン。あまり言えないけれど、最後のワインのシーンは手に汗握る。これぞ劇場版スケール。

これを見ると、本当に最近のコナン劇場版は適当だという事が分かるでしょう。
とにかく、これを見ずにコナンは語られない。黒の組織が一切関わってないというのも凄い点です。
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