2010年出版なので読むべきか悩みました。こういう業界は日進月歩で進化しているので、たった4年でも大きな変動があります。正直、本書が出版されたのが電子書籍が話題になった時、時期的に言うとiPadの初代が発売された年です。電子書籍の基礎という点で変わりはありませんが、やはりiPhoneやiPad(場合によってはネクサス7)や日本で言うマンガボックス的なアプリの普及によって紙ではなくデジタルへ。という流れは否めない。結構前にアメリカのAmazonにおける紙と電子書籍の比率が逆転した、という話が注目を集めましたけど、アメリカは今は殆ど電子主流なんじゃないか?

で、本書が読むに値する部分は電子書籍の基礎ではなく、出版界の行く末や本の行方について綴られている後半部分です。最近はケータイやスマホばかりで若者は活字を読まないという話が割と真実として語られますが、実はそうではない。図書館協議会という所が調査している調査によれば、若者が読む本の数は1970年代には平均4.5冊だったものが、2013年の調査では10.1冊に増加しています。

9902f905.png


さらに、1ヶ月に1冊も本を読まない人も数の推移を見ると、、。

148658fa.png


若者の活字離れは以外と進んでいない。実は大人の方がもしかすると、本を読んでいない可能性もある。そして、ここからが面白い話ですが、80年代〜90年代にかけて年間で出版される本の数は1万点〜2万点でしたが、ここ最近では年間に8万点もの新刊が発売されます。本の売り上げ自体は減っているので、1冊の売り上げが圧倒的に少なくなった。その背景には日本独特の「取り次ぎシステム」にあると言います。例えば、出版社が1000部本を取り次ぎに卸すと、取り次ぎから販売金として前払いでお金が支払われます。1冊1000円として100万円ですね。でも書店から返品で500冊戻って来てしまった場合は前払い金から50万円を返金する必要があるわけです。でも出版社としては、それは返したくないわけ(もう既に使っているとか)で、出版社が何を考えたのか?というと、新しく本を1000部出版するわけです。それを繰り返していけば、理論的には永遠にお金を回す事ができる。これが年間8万点もの本が流通する理由です。

佐々木さん曰く、日本の出版業界が衰退する理由の一つとして、この「取り次ぎシステム」を挙げています。つまり、取り次ぎから送られてくる本を並べるだけ。どこに行っても同じ本しか置いてない。ここに読者は魅力を感じなくなっているのではないか?という説です。この本が興味深い点は、リアルであれデジタルであれ、本の未来はそう暗くはないと綴っている点です。面白い本は生き残るし、リアルだって生き残る。それは多少はデジタルは移るかもしれないけど、リアルにはまだ可能性があると綴られています。

ボク個人的にはやっぱり本はリアルなんですよね。勿論、Kindleも持ってますけど、、。

スポンサーリンク