『エンディングノート』の砂田麻美監督が贈るスタジオジブリのドキュメンタリー。この作品はジブリの鈴木さんプロデュースではなく、ドワンゴの川上さんプロデュース作品らしい。まず、この作品の良い点を言っておけば、普段は見れないスタジオジブリの裏側や内面に迫った事。NHKのプロフェッショナル仕事の流儀では定期的にジブリ作品のドキュメンタリーが放送されますが、それに奇麗な音楽を付けて、映像を奇麗にしたのが、本作の要約です。そして、悪かった点は現時点(宮崎監督が引退して、風立ちぬのDVDがリリースされる直前)で、この作品が何の意図を持って制作されたのか謎な点。

●スタジオジブリのドキュメンター。

例えば、NHKのプロフェッショナルであれば、作品完成までの過程や最近で言うと「宮崎駿の老い」というテーマで放送されましたけど、本作はジブリという題材を使いながら訴えかけるものは殆どないです。ただ、ジブリに密着して、それを繋ぎ合わせただけの映画。本作で分かった事は、猫のウシコがジブリに居着いている事と、宮崎監督がスケジュール担当の女性を好きな事くらい。例えば、風立ちぬのドキュメンタリーとして、ここが大変でした。ここが難しかったです。という主張が無い事。本作のクライマックスは宮崎監督の引退会見なわけですが、ここが超重要で、「あっこういう理由で引退したんだな」という理由が作品からまったく分かりません。

確かに、鉄塔を見上げるシーンや空の雲を見上げる場面を見て、宮崎監督の抱えてきたものを理解する事はできますが、もっと直接的で良かった。

●ジブリと煙草。

ジブリの鈴木敏夫さんとか、風立ちぬで声優を勤めた庵野監督とかも出てきますけど、特に庵野監督のコメントがあるわけではない。これは意図的か分かりませんけど、本作は煙草が重要アイテムです。これに不快感を持たれる方も多いかも。ジブリの人はヘビースモーカーという都市伝説がありますが、煙草を推奨する映画、特に、煙草をかっこ良く写した映画としてはいい感じです。

で、物語終盤。ホテルで引退会見をする宮崎駿監督が手にもっていた紙に書かれていた。

「ボクはあと10年アニメ監督を続けたいと思います。」

という言葉。

これにはぐっと来ましたね。
ここで全ての物語が一本の線に繋がる。

あと最後に言うと、本作ではおもいっきり「風立ちぬ」のラストがネタバレしていますので注意が必要です。
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