まぁ前もって言っておくと、ドコモからiPhoneが出る可能性はあるらしい。

ドコモはiPhoneを売るのか?売らないのか?

じゃあ何故、今までドコモはiPhoneの投入を拒んで来たのか?それはつまり、ドコモの戦略と関係してくる。米アップル社と携帯キャリアの詳細は交渉は不明ですが、かなりの好条件を求められるそうです。SoftBankがiPhoneを始めて販売したのが2008年頃。auがiPhoneを発売したのが「iPhone4S」からですが、SoftBankとドコモには大きな違いがあります。つまり、それは会員数の比率です。現在、携帯キャリアのシェアを見ると、圧倒的にドコモ優位です。つい最近までSoftBankの電波は悪いなんて言われていましたが、最近はかなり電波状況は改善しているようです。

携帯電話シェア・純増数の推移のグラフ
https://sites.google.com/site/mobilemarketshare/

2013年7月のデータでドコモのシェアでは42%、SoftBankのシェアは23%となっています。SoftBankの破竹の勢いでシェアの差は狭まりつつありますが、大まかに言えば半分のシェアをドコモ獲得している計算になります。実は、これがドコモがiPhoneを導入に躊躇する大きな理由です。つまり、シェアが高すぎるためにiPhoneを導入する事ができない。iPhoneとXperiaなどのAndroid端末との大きな違いは「ドコモの独自サービス」が使えるか否かにかかってきます。最近では、らでぃっしゅぼーやなどを買収したり、iコンシェル、dメニュー、iDといった独自のサービスを提供しています。この収入が全体としては高くないものの、ドコモとしての大きな収入源なのです。

携帯の収入は大きく分けると、データ収入と音声収入に分かれていて、ARPUという指数で表されるのですが、それによるとドコモの通信費は年々減少傾向です。この落ち込みをカバーするための戦略が独自サービスなわけです。

analyze05_il02

http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/library/annual/fy2011/html/financial/analyze05.html

iPhoneでは基本的に全キャリア、全端末は仕様が同じです。iPhoneにドコモというロゴを入れる事すら許されません。Android端末をドコモが押し進めるメリットとして、ドコモ独自のサービスを使って通信外の収入を得るためです。現時点でドコモがiPhoneを出せない理由として、それはガラケーの問題も大きく関係してきます。ある調査によると、スマホとガラケーの比率は以下のようになります。

スマートフォンユーザー比率は43.3%、女性比率の増加傾向続く【マルチデバイス利用動向調査】

18101_01


4割という比率が大きいですが、現時点でも6割程度の人がガラケーを利用している計算になります。これは各キャリア共通の問題であって、auでも4割ほどが現時点でもガラケーを利用しているそうです。で、このガラケーというのが結構問題なわけです。例えば、ガラケーからAndroid端末に機種変更した場合は、ドコモのサービスが付随した端末を売る事ができて、ドコモにとってメリット大きいです。逆に、ドコモがiPhoneを導入した場合、入ってくるのは端末の音声通信と固定のデータ通信費のみです。簡単に言えば、土管屋です。スマホに移行する事で確かにARPUは伸びるのか?と言えば、2010年〜2012年のデータを見てもそれほど伸びていない現状があります。最近はLINE(ガラケーには対応してない)の普及によって通話料は減って行く傾向ですから、通話費用はむしろ下がります。

●SoftBankの土管屋戦略。


SoftBankが成功している理由は、まだ第一に「おとうさん犬」です。次にiPhoneだと言われていますが、たぶん孫さんがドコモの社長だったら現状のドコモと同じ戦略を取るのではないか?と思ったりもします。SoftBankが躍進している一番の理由は、「契約者数が少ないから」という一言に尽きると思います。MNPで移転した分だけ自分たちの利益になるわけです。つまり、SoftBankが取っている戦略は土管屋です。通話料と通信料で食べて行っているわけですね。逆の意味では、CMを大量に流して絶えず新規契約数を伸ばさないと、利益を伸ばす事ができない、という問題もあります。契約者数=収入が直結するわけです。

SoftBankのARPUを見ると、その現状が分かります。

chart_01

http://www.softbank.co.jp/ja/irinfo/finance/operation/

例えば、様々な割引を用意して、1円でも利益になるのであれば、契約してもらう。ある意味で薄利多売のビジネスモデルです。auも同じですが、SoftBankが過去最高益を記録しているのは、ただドコモからMNPする人が多いだけ。という単純な話です。

●捨て身戦略のドコモ?


一般論として、ドコモもMNPで会員数を増やせばいいじゃないか?的な理論がありますが、それは間違っていると思います。今更ドコモがiPhoneを導入したところで「SoftBank」から「ドコモ」とか、「au」から「ドコモ」という流れが急激に起こるのか?と言えば疑問です。電波がいいからとか、言う人もいますが、それは少数派でしょう。田舎ならともなく、都心では電波の差なんて殆ど感じません。そもそも電波を重視する人は、既にドコモのスマホを使っているでしょう。半分近いシェアがあって、さらに10%もシェアか伸びるのか?と言えば疑問です。

現状をまとめておくと、

・SoftBankは土管屋で喰っている。
・ドコモがMNPで急激に契約者を増やす事は無理。
・ガラケーからスマホに移行してもARPUは劇的には増えない。
・SoftBankの例もあるように、iPhoneを導入しても劇的にARPU増えるわけではない。

で、ドコモがもし仮にiPhoneを導入する場合はかなり捨て身です。
ものすごーく簡単言えば、
SoftBankやauがiPhoneを導入して利益が減るくらいだったら、利益が出なくてもiPhoneを導入しちゃえ!
という事です。本音で言えば、ドコモサイドはAndroidを買ってほしいわけです。全部のガラケーがiPhoneになったら本音では言わないけど、困るわけです。という意味ではもし仮にドコモがiPhoneを導入するのならかなり危機的状況なのでしょう。変な例えですが、円高で無理矢理輸出をするようなものです。円安がSoftBankやauと例えれば分かりやすいと思います。iPhone導入によって流失は止まるでしょうが、流入はあまり見込めない。ドコモの社長(今は違うのか?)は電話収入以外で1兆円を稼ぐと言っていますが、もの凄く正しい戦略です。国内飽和状態ですから、新規加入者は見込めない。各キャリア契約者の奪い合いなわけで、iPhoneは起死回生の一手ではなく、現状を維持するために出すわけです。

●ドコモがiPhoneを導入しない理由。


つまり、

シェアが既に高いのでiPhoneを導入しても大きくは契約者が増えない。iPhone導入によってドコモの独自サービス(iモード)といった収入源が減ってしまう。つまり、SoftBankやauに流れるくらいなら捨て身で導入するという事。

ドコモはアップルとの契約でiPhoneが導入できない的な事を言っていますが、たぶん嘘でしょう。ドコモはiPhoneを導入できないのではなく、導入したくないのが本音だと思います。

iPhoneを導入したら流失は止まるかもしれないけど、AndroidユーザーがiPhoneに機種変更するのも困るわけです。

僕がもしドコモの社長だったら、端末一括0円の変わりにオプションで「らでぃっしゅぼーや」に加入させるけどなー。(笑)
スポンサーリンク