今、多くの人が「尖閣諸島」における中国の情勢に注目している。それに端を発した反日デモの記憶は新しい。レアアースの禁輸問題や中国に進出している日本企業、そして世界大2位の経済規模を持つ中国、そして貿易に対する悪影響を避けるために、表立って中国を批判する事はできない。しかし、もしそれが全てウソだったらどうだろう?日本が中国に依存していないとしたら?本書「日本経済は、中国がなくてもまったく心配ない」そんな中国を取り巻く環境と、本当の中国の実情を綴る。

●日本経済は中国に依存などしていない。

日本人の多くが「中国=日本が貿易において依存している相手」とステレオタイプ的な答えが帰ってくる。しかし、もし日本が中国に依存していない、としたら?日本が中国との貿易額を増やしているのは事実ではあるけど、そのシェアは2010年の段階で19.4%になっている。しかし、金額的で見るとその総額は約1415億ドル、これだけ見れば大きいですが、日本のGDPで言うとその比率は2.79%になります。つまり日本は中国との貿易が無くなったとしても、GDPで約2.79%、黒字で言えばGDPが0.35%しか影響を受けません。逆に、中国は日本から資本財、つまり精密部品が入ってこなければiPhoneといった製品を作る事ができないのです。

著者は中国の安い製品が入る必要はないと言います。
中国から入る安い作物が無くなれば国産の市場が活性化すると言っています。

●アメリカが支えていた中国経済。

中国のGDPの多くを占めるのが輸出でありますが、それはかなりの部分をアメリカに依存してきました。ピークの時は金額で21%、黒字で81%を占めていました。それがサブプライム問題による景気後退により、一気に縮小してしまいました。中国は日本と違って内需に頼る事ができません。それは極端な格差により、日本では大半を占める中間層が殆どいないのです。あるのはお金持ちか貧困か。それに加えて、中国で急速な高齢化が問題となっています。ジニ係数は0.5を越え、年間で18万件にも及ぶ暴動やデモが行われているそうです。

●汚職と格差。

中国で共産主義という形はとるものの、その裏では汚職などがはびこっているそうです。温家宝首相の家族が27億ドルもの資産を持っているというのが驚きですね。それに加えて、今、中国では富裕層の海外逃亡が流行っているそうです。中国のバブルがはじける前に、自分の資産を差し押さえられる前に資金と一緒に逃亡する。

●そして中国の時代は終わる。

国家にとって大切なのは、強い産業と豊沃な消費者だと思います。しかし、中国は汚職や格差によって、豊沃な消費者がいません。それに加えて急速に進む高齢化。経済成長する前に貧困が進んでしまった。賃金の面でも中国は安いとは言い切れない。アジアを探せばもっと安価でLOVE日本な国は幾らでもあります。実は日本は中国に依存してるではありません。もっと正しい情報を持って行動する必要がありそうですね。よく日本人は中国市場に参入するんだ!的な事をいいますが、まともに法律も守れない国で持続的にビジネスを続けられるのか?は疑問です。

中国の今後は本当は今のトップである習近平にかかっているのかもしれません。
ただ一つ言える事は我々が見る中国と現実中国は違うという事でしょう。

その意味で本書は有益だと思います。
図解入りでとても読みやすいです。
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