本作でシリーズ4作目となる池上さんの国際情勢の解説本。僕自身、1と2だけ読んで3は未読なんですが、シリーズ4作目となる本作の表紙の池上さんのドヤ顔を見てしまい、つい手にとってレジへ。正直に感想を言えば「面白かった」という感想です。たぶん多くの人は、「そんな簡単な事分かってるよ」と思うかもしれません。確かにシリーズを重ねる毎にマンネリ感は否めませんが、本作が面白い理由は、やはり世界情勢の変化でしょう。この手の本は世の中が変わるほど、世の中が混沌とするほど面白みのある本になってきます。

まえがきが書かれたのが2013年の4月とあるので、もの凄く短期間に書かれた、もの凄くタイムリーな1冊だと思います。池上さんは本書の中で「絶対的な覆権国・指導者がいない「Gゼロ時代」」と言っているように、アメリカとロシアが睨み合っていた時代とは違い、今や中国やインド、アジアの国々が力を付けています。かつては産油で世界から巨額のマネーを呼び込んでいた、中東もアメリカのシェールガスの登場によってその覇権が揺らぎつつあるとしている。アメリカはエネルギー輸出国になる人も近いのかもしれない。

本書の魅力の一つは普段は聞かない中東情勢に関する事が書かれている点です。これは専門書が何冊も出ていますが、これぼと簡単に書かれている本は珍しいです。まず、ニュースなどでよく聞く「イスラム過激派」という言葉。実は、イスラムには大雑把に分類すると、2つの派閥?があるそうなのです。
イスラム教シーア派は、イスラム教の予言者ムハンマドのいとこで娘婿のアリーの血筋を引くものだけがイスラム教徒の指導者(イマーム)としてふさわしいと考える宗教です。数としては少数派です。スンニ派は血統にはこだわらず、イスラムの教えを守りさえすればいいという多数派です。
本書で池上さんはシリアの紛争は派閥の代理戦争だよ、と言っています。

他にも、

・アメリカ大統領選挙と国民皆保険と経済情勢について。
・EUの財政問題、PIGSからFISHへ。
・エネルギー大国サウジアメリカ?
・アラブの春、揺れる中東情勢。
・パレスチナとイスラエル問題。
・中国の習近平体制と共産国家の未来。
・韓国女性大統領誕生と日韓関係。
・北朝鮮の核問題、なぜ北朝鮮は核にこだわるのか?
・アベノミクス効果と3本の矢。
・安倍政権が目指す未来の日本。
・円高がいい?円安がいい?
・尖閣諸島問題は長期化する?

といった事が書かれています。
残念ながら僕は池上さんのように簡単に解説する事ができませんので、詳しくは本書に譲りますが、やはり池上さんにニュースを語られたら右に出るものはいないな、って思います。一つ忠告しておくと、本書が面白いと感じるのは今年いっぱいまでです。ある意味で生ものみたいです。できるだけ早いうちに読む事をお勧めします。
スポンサーリンク