小室さんのラジオで紹介されていたので、早速、購入してみました。この手の本は名前負けで内容が薄いものが多いのですが、この本は当たりです。読めば今の音楽業界が抱えている問題について理解する事ができる。何となく日本人、特に音楽ファンが抱えていた問題を読み解く事ができます。

最近、日本の音楽業界はCDの売り上げ低迷に悩んでいる。オリコンチャートの上位を見れば、「AKB48」や「嵐」ばかりアイドル系ばかり。そうかと思えば、「けいおん!」のようにアニメ系のCDが上位に食い込む事も多くなってきた90年代後半のCDバブルの時は数万枚、数十万枚売らなければTOP10に入れない時代から、今や数千万枚前半でもランクインが可能になった。本当にJ-POPは終わってしまったのか?その一方で躍進のするK-POPとは?

●韓流がJ-POPを殺した?

最近は数年前の全盛期に比べると勢いが衰えていますが、未だに熱狂的なファンを持つK-POP。日本のJ-POPが衰退する一方で、何故、K-POPは躍進するのか?簡単に元を辿ればその源流は日本にあると著者は解説します。韓国の大手芸能事務所である「SMエンタテイメント」は、徹底的に日本のエンタメ業界を分析したという。その中でも特に、「宝塚」「劇団四季」「ジャニーズ」を徹底的に研究したそうだ。

何故、K-POPの歌手がYouTubeに動画を無料でアップするのか?

それは、IT大国である韓国のお家事情とも関係しているようだ。既にスマホや携帯が爆発的に普及している韓国ではCDを購入するという文化がないそうだ。CDを買おうとすると、えっCDですか?という始末らしい。そこで考えられたのが、楽曲を無料で提供してライブで稼ぐというモデル。韓国の芸能プロダクションが言うには、ファンは10万人いればいい。10万人いればライブ会場を満杯にする事できる。つまり、韓国においては、CDで儲けるという文化が存在しないと言う、事なのかもしれない。

もう一つ、K-POPについて興味深かったのは、何故、あのような歌詞なのか?という事だろう。ざっくり言えば歌詞の内容を大事にするJ-POPに対して、K-POPは歌詞がバラバラで、サウンドを重視しているようにも思える。本書から、こんな文章を引用してみょう。
メロディーを創作する、メッセージ性のある歌詞を創作する、という習作の時期を経ずに、韓国の若者たちはコンピューターサウンドに出会ってしまった。ピアノが弾けなくても、ギターのコードが押さえられなくても、コンピューターのデータがあれば、その組み合わせて完成楽曲をつくることができる。手法は「コピー&ペースト」
●音楽著作権がJ-POPを殺した?

音楽著作権と言えば、「印税」を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、実際はもっと複雑で、音楽の著作権を管理しているのはレーベルではなく、音楽出版社という事になる。小室哲哉氏の詐欺事件で自身の著作権が手元に無い事が焦点になったが、アメリカではアーティスト自身が管理している場合が多いらしいが、日本では一部の音楽出版社が管理している。これがもの凄く美味しい仕組みなのだという。オフィスと椅子があれば始められて、座っているだけで「カラオケ」といった二次使用料が億単位で入ってくる。

面白いのが、印税を作詞家、作曲家、音楽出版社で3分割するそうだ。
マイケルジャクソンがビートルズの著作権を買い取ったという話を聞いた人も多いだろう。

日本で著作権使用料を徴収するのが「JASRAC」という団体だ。
まぁこの辺は賛否があるので置いておくけど、この組織の問題点は組織運営にあるらしい。

JASRACは社団法人であるので利益を出す事を認められていないが、実は、「天下り団体」なのだという。
文科省の天下り実態はJASRAC月報で新しい顔ぶれを見たばかりだ。理事の欄に写真付きで10名近い元官僚が並んでいたことに、ワカマツはひっくり返りそうになった。音楽の「お」の字も知らない、社会人になってからJ-POPを聴いたこともないお役人が平然とJASRACの理事に名を連ね毎月の手当と退職金をもらっている(ちなみに会議があるのは、わずか月数回だ、毎月毎月、一般職員のほうが汗水垂らして働いている)
●圧縮技術がJ-POPを殺したのか?

圧縮技術の進歩によって、音楽はアルバム単位で買うものから1曲単位で買う物に変化してしまった。著者は正直に「アルバムはシングルにならなかったボツ曲だよ」と言っているが、音楽配信の波は確実に1曲単位に移行しつつある。

●平成10年生まれ以降がJ-POPを救う?

最後に、平成10年以降がJ-POPが音楽を救うと題して綴られている。生まれた時からパソコンやスマホがある世代、この世代をどう活用するかによって音楽の盛衰が決まるといっても過言できない。ただ僕の主観で言えば、新譜(90年代)を楽しみしていた頃の方がワクワク感もあったし、お札を握りしめるドキドキ感もあった。初音ミクのように、既に若者にとって音楽とは生身の人間が発するものではないのかもしれない。それは韓国のコピペ文化のように、、。

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