渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)
藤田 晋
幻冬舎
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今やアメーバと聞けば誰もが知っているキーワードになった。芸能人を多く抱えるブログサービスである「アメーバーブログ」。そして最近、CMで頻繁に流れている「アメーバスマホ」に代表されるソーシャルゲームが絶好調の企業である「サイバーエージェント」という企業がある。本書「渋谷で働く社長の告白」は、そんな藤田社長、そしてサイバーエージェントの起業から現在に至るまでの経緯が綴られている。いゃ本書はすごいです。よく起業家というと、素晴らしいビジョン、そして時にはFacebookのマークザッカーバーグであったりマイクロソフトのビルゲイツのように天才的なプログラマーだったりする。

●IT企業の社長に技術は必要か?

しかし、藤田社長には東大や京大でコンピューターいじってました。という肩書きが一切ない。IT企業の社長というと、さぞITに詳しい印象を受けるが、元々サイバーエージェントはIT企業の営業代行という事業からスタートしている。これは、藤田社長が学生時代に人材会社の営業のバイトをしていた事に由来するのだが、サイバーエージェント初のIT事業にクリック課金型の広告配信サービス、これも自社ではなく他社に委託して作ってもらってた。ちなみに、このサービスを作ったのが当時、「オン・ザ・エッジ」の社長であったホリエモンこと堀江貴文氏だ。「こんなの楽勝っすよ」という彼の言葉が印象的だ。

●ITバブル崩壊と経営

サイバーエージェントには明確な事業目標もビジョンもなかった。ただ、藤田社長の中には明確に「日本で有数の企業を作る」というビジョンだけはあった。時はITバブル全盛の時代。IT企業の株価は爆発的な勢いで上昇していた。市場最年少での東証マザーズ上場(のちに、リブセンスの村上社長に抜かれる)。その初値は1株1500万円。設立たった数年の会社が瞬く間に225億円の資金を調達した。しかし、時を同じくしてITバブルの崩壊が待っていた。株価はどんどん下がり、ついには会社の資金200億円に対して、時価総額は90億円。会社を買収して清算すれば、それだけで儲かる会社になっていた。

●サイバーエージェント買収の危機。

そこに目を付けたのが、のちに村上ファンドで脚光を浴びる村上氏だった。
株価は下がり、株主からは非難が殺到する。藤田社長の持ち株は20%弱。その他には、USENの宇野社長、GMOの熊谷社長。時は9月、10月ワラントまで時間があった。その間に企業が買収されれば、それで終わり。何とかして会社を守らなければならない。そんな時に彼を救ったのが楽天の三木谷社長だった。三木谷社長はサイバーエージェントの株式を買ってくれたのだ。失意で向かったUSENの宇野社長から言われた「お前の会社なんていらねーよ」という言葉が印象的だ。

●会社経営に必要な1つのこと「渋谷で働く社長の告白」

明確なビジョンもなく、株式時価総額世界一という目標にだけがあった。会社を設立する時に必ずしも詳細ビジョンが必要とは限らない。会社経営にとって大切は事は、以下の1つだと思った。

苦難に立ち向かい、自分を信じる事ができるか?

本書の最後に、女優で当時の奥さんである奥菜恵さんとの話が載っているが、今、離婚した後に読むと結構寒い。ここはカットできなかったのか、とふと思った。
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