もう1日寝るとお正月。今年は、沢山の本とお友達となれた年となりました。ありがとう♪

2008年もあとわずか、そんなこんなで「この本がスゴいヨ2008」と題しまして、今年読んだ本の中で印象に残った本をベスト10として紹介しょうと思います。

本って不思議な物体。あれだけ小さいのに、手をめーーいっぱい広げても表現できない程の広さと深さを兼ね備えているのですから。読書は孤独、本は誤読しても訂正してくれない。絶えず、自分自身と対話しながら、コンパスも地図も持たずに旅に出る。(何のために読むのか?)(何を求めているのか?)・・本の中身とも戦い、本そのものとも戦った。

そして、完敗。
そして、自分に乾杯!負けてるやないかぁ〜♪

いやはや、成長途上ではありますが、本と向き合った1年だったんじゃないかと思います。

というわけで、「これはスゴいヨ」と思った本を、ベスト10で紹介してみます。どうぞ!

この本がスゴいヨ2008


受けてみたフィンランドの教育レビュー
受けてみたフィンランドの教育
実川 真由 実川 元子
文藝春秋
売り上げランキング: 18520
おすすめ度の平均: 4.5
5 フィンランド大好き
5 日本と違う北欧の教育
5 フィンランド式教育方法はすごい!
5 留学体験記というよりも教育の在り方に一石を投じています。
5 読後感がさわやか!
フィンランドの教育は生きる知恵を教える。日本の教育は試験に受かる知恵を教える。

日本人の高校生(当時)がフィンランドの高校に1年間留学した時の体験記。

教育を受けた本人が書いてるし、書いた本人が高校生だったという事もあってか、非常に読み易い本。留学してからの1年間が時系列的に紹介されてて、日本の教育と比較しながら生のフィンランド教育を感じられる1冊です。

結論から言えば、フィンランド教育は特別に優れた教育システムなんかじゃなかった。

読む前までは(さぞかし優れた教育なんだろう!)と思ってた。だけど、フィンランド教育の留学記を読んで思うのは、日本もフィンランドも子供たちが受ける教育そのものに歴然の大差は無いのです。ただ、決定的にフィンランドと日本の教育の違いがある。それは、「教育」の目的に対する考え方の違いなのです。

日本⇒勉強は高学歴というレッテルを手に入れるためのにする。

フィンランド⇒勉強は「自分の納得のいく仕事につくようにするため」にする。

あえてフィンランド教育が優れている点を上げるとするなら、絶えず(己)という存在と戦っていること。フィンランド教育の特徴は大きく言えば2つあって(1.とにかく、考えさせる。)(2.授業の大半で論文を提出する。)。日本では考えられない話ですけど、殆ど全ての授業で論文の課題が出されるそうなのです。

しかも、その問題には明確な答えは無い。全ては教師の裁量に任されているのです。

本書で紹介されていた(怒る彼女をどうなだめるかについて。)というエッセイの一部がスゴいヨ。(↓)(ホームステイ先の家族の長男である高校生のユリウス19歳が書いたものです。)
まず正直に、謙信な心で。

どんな人間関係においても、お互いに腹を立てるときというのが何回となくある。怒ったり、怒鳴ったりすることなしに、本当の人間関係は長続きしないものだからだ。で、そんな時でも、自分の思いをぶつけてしまう前に、一呼吸おいて考えるべきだ。自分の言葉が、あとになって後悔するような、彼女をひどく傷つけてしまうようなことではないのかと・・。(P110)
自分が何のために勉強し、どんな未来を歩んで行くのか。

フィンランド教育が最も優れているのは、子供の人生を「教育」する所なのかもしれませんね。

本の読み方 スローリーディングの実践
本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)
平野 啓一郎
PHP研究所
売り上げランキング: 53109
おすすめ度の平均: 4.0
2 ジャンルの好みで賛否が分かれる一冊。
4 作家の読書観
3 期待はずれかな
4 「速読コンプレックス」に陥っている人に勧めます。
4 最近の新書では良書

テッシュ1箱では足りない。私、殆ど物語りを読めなかったみたい・・。(涙)

勝間さんの「読書論」や「レバレッジリーディング」を始め、世はまさに「大読書論」時代。

本からといかに知識を吸収するのかが重要視される時代ですが、そんな(速読)に真っ向から対立する(遅読)という言葉。作家である「平野啓一郎氏」が作家の視点から本を骨の隋まで堪能する方法を伝授してくれる1冊です。

この本がスゴいなぁと思うのは、のっけから現代の読書論を全否定なんです。

×本は全部読まなくて良い⇒全部読め
×読んだら捨てろ⇒本棚にずっとしまえ
×手当たり次第に読め⇒1冊をじっくり読め

のっけからばっさりかつ、説得力にのっくあうと。(↓)
ある本を速読して、つまらなかった、という感想を抱くのは、忙しい旅行者と同じなのかもしれない。

じっくり時間をかけて滞在した人が、「えっ、あそこにすごくおいしいレストランがあったのに!行かなかったの?あそこの景色は?えっ、ちゃんと見てないの?」と驚き、不憫に感じるのと同じで、スローリーダーが楽しむことのできた本の中の様々な仕掛けや、意味深い一節、微妙な表現などを、みんな見落としてしまっている可能性がある。速読のあとに残るのは、単に読んだという事実だけだ。(P21)
この本の中では、日本でも名著と呼ばれる「こころ」「高瀬舟」「」「金閣寺」「伊豆の踊り」などを題材にして、本の細部に隠された作者の意図や内容を解説してあるのですが、まぁ〜ぶったまけです。本1冊にこれ程までに作者の思いが込められていたのかと。そして、自分は殆ど本の内容をを読めてなかったと・・。えェ〜ん、僕が悪いんじゃないよ、本が悪いんだい!(涙)

よく、映画のメイキング映像で「スタントじゃなく、僕が運転したのさ」「このシーンは、廃墟の雰囲気を追求さるためにニューヨークを封鎖して撮影したんだ」とか聞いちゃうと(あ〜、あのシーン本物なんだ!)って思ったりするけど、それに近い感覚なのしれないですね。オタクの人がアニメにあれだけ熱中する理由も何となく分かった気がする・・。

本から何を得るかは(読む側)次第。そう痛感されせれた1冊です。

虫眼とアニ眼
虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)
養老 孟司 宮崎 駿
新潮社
売り上げランキング: 12156
おすすめ度の平均: 5.0
5 愛すべきイヤな親父です
5 自然に眼を向けられる教育が必要なのだろうと感じた
5 自分たちに欠けている眼
4 対談よりも巻頭のイラストがいい

愛すべきアニメーの老人と虫取り老人の対談本。

「もののけ姫」や「崖の上のポニョ」の監督である宮崎氏と、「バカの壁」の著者であり解剖学者でもある養老氏の対談本。まったく異なる職種の一線で活躍する2人の3回にわたる対談が収録されている本なのですが、これは面白い!!

そもそも、本の題名にもなっている「虫眼」という言葉。これは、(虫眼鏡)で昆虫を好奇心いっぱいで見る時のような、自然で純粋な「眼」。そして、「アニ眼」は現代の(ゲーム、漫画、アニメ)で溢れかえっている自然とは正反対の「眼」。誤読かもしれないけど、この正反対の「眼」が混沌とする現代に、「虫眼」と「アニ眼」の両方の時代を生きて来た2人が(人生の、本当に大切なものって何だろう?)そう、問いかけてくれる本です。

宮崎監督自身による自虐的な話とかも興味深いですね。(↓)
親から、「うちの子供はトトロが大好きで、もう100回くらい見てます」なんて手紙が来ると、そのたびにこれはヤバイなあと、心底思うんですね。

誕生日に1回見せればいいのにって(笑)。

(中略)

トトロの映画を1回見ただけだったら、ドングリでも拾いに行きたくなるけど、ずっと見続けたらドングリは拾いに行かないですよ。なんで、そこがわからないんだろうと思うんだけど。

いっそビデオの箱に書きたいですね、「見るのは年に1回にしてください」って(笑)。

虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)(P43)
パソコンや携帯が爆発的に普及して人間の生活は飛躍的に便利になったはず・・なんだけど、できた余力で人生について悩んでる。昔は決して便利な世の中ではなかったはずなのに、子供たちが笑い、貧しい中でも笑顔に溢れていた。「技術を使いこなす自分」に憧れる一方で、「技術を使いこなさない自分」にも憧れているのかもしれない。まぁ人生の歯車は動き出したら死ぬまで止まんだから、くよくよ悩んでもしかたない。この本を読むと、すごーーい上から安心する言葉を掛けられたような、そんな気持ちになれますね。

だけど、(宮崎監督はただものじゃない)です。作品がヒットするとか、まるで考えてないの。
「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」の制作裏話もちょろちょろ書かれているのですが、映画1本に(これでもか!)と思いが込められてる。千と千尋で、千尋が電車に乗って帰るシーンについての裏話が書かれているのですが・・。


これだけ気持ちを的確に読み取って、アニメという媒体を通して表現する。口うるさい老人だけど、愛のあるればこその、うるささ。そんな意味も含めて、「愛すべき老人大賞」を差し上げたい1冊です。

(宮崎監督直筆のカラーページも必見です!)

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作ったレビュー

おすすめ度の平均: 4.0
5 ”地域通貨”に希望を持って取り組む著者が既存の通貨・金融の仕組みを歴史的事実を踏まえて解明している力作である。
5 歴史の裏側
3 R.キヨサキのクワドラントの本当の意味もよくわってしまった本。

嘘か真か、金融版「ダヴィンチ・コード」の視点で読んだらオモシロイ!

世界の経済を影で支配する謎の一族「ロスチャイルド家」。その一族がどのようにして天文学的な富を手に入れ、世界経済がどのように支配されているのか。

自分は(金融音痴・経済音痴の人間なので、他人に説明する能力は皆無に近い人なのですが、読んで率直に思ったのは(実話なのか?!)という事。だって、だって、話が雲ーーの上なんですよ。話の規模がデカ過ぎるんです。全くと言って良い程、実感が湧きません。たとえば、こんな事が書かれているのですが・・。(↓)

・アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は資本家に支配されている。
・ドルは無限に刷れる。アメリカ人は無から創造されたドルに対して利子を払っている。
・ケネディは独自通貨を発行しょうとして殺された。
・IMF(国際開発銀行)は発展途上国を支配するための機関。
・真珠湾攻撃は事前に知りながら、日本への戦争を仕掛けるために攻撃させた。

ねぇ、まったく実感が湧きません。(笑)

普通ならここで(嘘でしょ全部!)という所なのですが、この本が面白いのはココなのです。これだけの話が次々と展開されるにも関わらず(嘘だろ!)とツッコめないのです。まぁ自分の知識不足というのもあるのでしょうけど、正しいかどうは別として、2個のピースがくっ付いた時のような不思議な感覚。

「第2次世界大戦
」、「湾岸戦争」、「アフガン」「イラク」。人類は古代から無数の戦争を起し続けているけど、歴史の教科書にチョロっと書いてあるだけで、本当の理由は知らない。9.11テロ後の「アフガニスタン侵攻」なんて、最たる例だと思うんです。マイケル・ムーアの「華氏911」を始め、数々の疑惑「タワーは発破解体」されたとか、「ペンタゴン」の飛行機突入はミサイルだったとか。テロから8年近く経った今でも(ビンラディ)は発見されてない。イラク戦争も同じく・・。

まぁが現実生活とかけ離れ過ぎてしまって、実感も共感も無い本ですが、金融版「ダヴィンチ・コード」として、ミステリー視点で読むと面白い本かと思います。

経済ってそういうことだったのか会議
経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
佐藤 雅彦 竹中 平蔵
日本経済新聞社
売り上げランキング: 612
おすすめ度の平均: 4.5
4 竹中平蔵さん参加 経済が大混乱の今こそ、経済の入門書として、、、
5 すっごくわかりやすい経済入門
4 続編が読みたい
5 対談形式なのが分かりやすい
5 対談形式の良さが発揮されている

団子と郵便のそういうことだったのか本。

経済学者の「竹中平蔵さん」と、だんご3兄弟の作詞を担当したCMプランナーの「佐藤雅彦さん」との対談本です。

元総務大臣と国民的ソング「だんご3兄弟」の作詞家さんが、「経済の素朴な疑問」を語り合う経済本。対談している2人の経歴もさることながら、内容も非常にわかり易いのです。

さすが、万人相手の職業です。佐藤さんが竹中から絶妙な塩梅で、(経済音痴)でも理解できる言葉遣いや
例えを引き出しているのです。経済音痴の人って「ユーロ」という名前すら知らないし、そもそも「経済」の意味すら知らない。それを初歩の初歩から(振興券を配った理由?)(統一通貨である理由?)(お金って何であるの?)丁寧に解説してくれる。佐藤さんの手書きイラストなんかが入ってたりして(だんご3兄弟の棒人間)、堅苦しい「経済」というイメージが全然ありません。竹中さんが先生役で、佐藤さんが生徒の役。佐藤さんが演技なのかは定かではありませんが、子供のような素朴な視点で質問する佐藤くん。そして、その質問に丁寧に回答する竹中先生。その会話を周りでケラケラ笑いながら聞いている生徒役の読者。同じ教室で友達と授業を受けているような、そんな1冊です。
第1章 お金の正体―貨幣と信用
第2章 経済のあやしい主役―株の話
第3章 払うのか取られるのか―税金の話
第4章 なにがアメリカをそうさせる―アメリカ経済
第5章 お金が国境をなくす―円・ドル・ユーロ
第6章 強いアジア、弱いアジア―アジア経済の裏表
第7章 いまを取るか、未来を取るか―投資と消費
第8章 お金儲けはクリエイティブな仕事―起業とビジネス
第9章 人間とは「労働力」なのか―労働と失業終章 競争か共存か
自分の中では、佐藤さんの(牛乳瓶のフタ)の話が興味深かったです。

小学生の時にありましたよね、「匂い付きケシゴム」とか「○○シール」とか。お金持ちの子は貴重なシールをしこたま学校に持ってきて自慢してた。そん時は、子供ながらに(悔しい!)と思いつつも、心の中では(家が貧乏)という現実が辛かったなぁ。でも不思議な話で、皆がそれなりの数を集め終わると、途端にブームが去ってしまうんですよね。でもそれが、「お金」の価値と同じ仕組みだったなんて、考えた事も無かったです。

それに、経済学(エコノミックス)の意味由来も知らなかったです。
「佐藤さん、エコノミックス(経済学)って、もともとしどういう意味かわかりますか」(中略)

「佐藤さん、エコノミックスって、ギリシャ語の(オイコノミコス)から来ているんです。オイコノミクスとはどういう意味かといいますと、共同体のあり方、という意味なんです。」

共同体のあり方・・・

経済学は、利己的な利益の追求を理論つけるだけの学問だと思っていた僕は、その言葉に少なからぬ感動さえ覚えてしまった。

我々が、個人としてだけではなく、みんながどのように生きたらみんなで幸せになることができるのか。それを発端とする学問がオイコノミクス、つまり経済学の始まりだったのだ。(P4)
読み終わったら叫んじゃう、「経済ってそういうことだったのか!」ってね・・。(笑)

     

色々と紹介してみましたが、自分が(スゴイヨ)と思った本を選んでいるので、読者の皆様を満足させられる本かどうかは分かりません。レビューも稚拙な文章で何の参考にならないかと思うのですが、それでも1億分の1でも参考にしてくれる方がいればなぁと思い、このような記事にしてみました。

まだ書評は未熟レベルですが、2009年は2008年より一歩でも完成度の高い書評。また、良書やスゴ本に出会える年になれるよう願っています。と言うわけで、長々と書きましたが、以上が「これの本がスゴいヨ2008」です。

モ〜終わり!・・。あっどうも、2009年の初スベリです。(涙)

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